妊娠・出産を望む夫婦にとって、流産はなによりもつらいことです。しかし、流産は自然の摂理として起こりうるものでもあるので、1度流産したからと言ってその後の妊娠や出産を不安に思ったり臆病になったりする必要はありません。


流産で気をつけたいのが、2回、3回と繰り返す流産。これを習慣性流産といい、この場合は流産してしまう原因がどこかにあると考えることができます。今回は、この習慣性流産の原因について解説します。


習慣性流産にもさまざまな原因があるのですが、その中には早産や死産も含んで繰り返されるケースもあり、この状態は不育症と呼ばれます。不育症の原因として多いのは、受精卵の染色体の異常と子宮の異常、その他卵巣の黄体機能不全や母子の血液型不適合、過去の病気の影響など、さまざまな原因がわかっています。


染色体異常…夫婦どちらかの染色体に異常があった場合、受精できたとしても着床できなかったり、妊娠が成立したとしても維持し続けることが難しい。もし出産できたとしても胎児に先天性の異常が現れることがある。


子宮奇形…生まれつき子宮の奇形があるために、排卵期に内膜が厚くなりきれなかったり、胎児が成長していく際に支給が大きくなれない場合もある。奇形の程度によっては手術が必要な場合もあれば、そのまま経過を見守れる場合もあるので、医師との相談が必要になる。


子宮頸管無力症…子宮の入り口(子宮口)が緩んでいるために、胎児の成長に耐え切れず流産してしまう。胎盤が完成したころに子宮頸管を縛る手術を受けることで流産を予防することができる。


子宮筋腫…子宮に筋腫ができ、その場所や大きさによっては流産の原因となる場合がある。また、筋腫の影響で子宮が大きくなっていたり、固くなっている場合には、胎児の成長と共に子宮が伸びきれず流産や早産の原因となってしまうこともある。


黄体機能不全…排卵後、子宮内膜を厚くするために分泌されるお黄体ホルモンが上手く働かず、受精卵が着床した後の内膜に十分な栄養が送られないために流産してしまうケース。


母子間の血液型不適合…Rh因子(+・-)の不適合によって流産・早産が引き起こされるケース。


母子間の組織適合高原(HLA)不適合…白血球の血液型ともいわれるHLAの不適合から流産が引き起こされるケース。母体が胎児を体内の異物とみなし、追い出そうとして働いてしまうケース。


その他…糖尿病・膠原病などの病気、感染症(性感染症、肝炎)などが原因となる場合もある。


習慣性流産と聞くと怖い気がしますが、原因を特定できれば対処法も検討しやすくなります。ちょっとでも気になる場合は、自己判断はせずにぜひ医師の指導を仰いでください。